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葬儀に持参する“香典”とは|故人との関係や年齢による金額の相場、基本的なマナーなど知っておきたいポイント2024.08.02
葬儀に参列するときに持参する香典。まずは「いくら包めばいいの?」と迷う方も多いでしょう。相場もはっきり分からないと、遺族に失礼にあたらないか不安になるものですよね。
香典の金額は、「故人とどのくらいの付き合いがあったか」という関係性、そして自分の年齢によっても大きく変わります。
今回は葬儀における香典の相場について詳しくお伝えしていきます。
香典の相場とは
葬儀やお通夜の際に香典を持参するのがマナーということは、多くの人が知っているでしょう。ただ、故人へのお供え物に代わるお金、つまり故人を偲ぶ気持ちを表すものですから、金額的な決まりはありません。
ただ、自分から見た故人との関係性や自分の年齢によってある程度の相場があり、その範囲内で持っていくのがマナーと考えられています。
自分の親の葬儀のケース
親の葬儀は、もっとも香典の相場が高いです。
自分の年齢によって、
・20代⇒3~10万円程度
・30~40代⇒5~10万円程度
・50代以上⇒10万円以上
がおおよその相場感です。
しかし、両親が亡くなると、自分が葬儀の喪主をつとめることも多いでしょう。その際は、香典は不要です。
また、配偶者の両親の場合も、香典の金額の相場にほとんど差はなく、自分の親と同様の金額を包むケースが多いです。
自分の兄弟姉妹の葬儀のケース
両親に次いで身近とも言える存在が兄弟姉妹で、金額も親の香典の次に多くなります。
自分の年齢によって、
・20代⇒3~5万円程度
・30~40代⇒5万円程度
・40代以上⇒5万円以上
がおおよその相場感です。
配偶者の兄弟姉妹が亡くなったときも、相場感は同じくらいとなっています。
また、注意したいのが他の兄弟姉妹との金額のバランスです。一般的には、兄弟姉妹の間で香典がバラバラなのは好ましくないと考えられているため、事前に「いくら包むか」を相談しておくといいかもしれません。
自分の祖父母の葬儀のケース
「同居している・いない」に関わらず、自分が社会人として収入があるなら、祖父母への香典は持参するのが一般的です。
自分の年齢によって、
・20代⇒1万円程度
・30~40代⇒1~5万円程度
・50代以上⇒5万円以上
がおおよその相場感です。
自分のおじ・おばの葬儀のケース
自分の年齢によって、
・20代⇒1万円程度
・30~40代⇒1~3万円程度
・40代以上⇒3万円以上
がおおよその相場感です。
ただ、「おじ・おば」は遠い存在というケースもあるでしょう。おじ・おばへの香典は、“自分の年齢”よりも、“生前の関係性”から金額を決めるのが一般的です。
たとえば、自分が20代くらいならおじ・おばへの香典は1万円くらいが相場の目安。でも、「子供のように可愛がってもらった」「毎週のように会っていた」など近い存在だったなら香典を少し多めに包んでもいいでしょう。
逆に、自分が30代以上で多く包むべき年代だとしても、「遠方に住んでいてほとんど会ったことがない」「年賀状のやり取りさえもなかった」などの場合、年齢問わず1万円が多いようです。
自分の親族(上記以外の親族)の葬儀のケース
年齢に縛られず、3千円~1万円くらいがおおよその相場と言われています。
親戚とは名ばかりで縁が薄かったケース、兄弟以上に仲良くしていたケースなど、関係性によって香典の金額を決めましょう。それほど交流がなかったケースなら5千円程度の金額でもいいかもしれません。
自分の友人・知人
友人が亡くなったときの香典は20~30歳前後くらいなら5千円が相場ですが、30代後半から40代以上にもなると1万円が目安です。
また、自分の年代が若い場合でも、亡くなった友人との付き合いが深く、“親友”と呼べるほどならば香典は1万円を包むのもいいでしょう。
自分の職場関係の人(上司・同僚)の葬儀のケース
自分の年齢によって、
・20代⇒3千円~5千円程度
・30代⇒5千円~1万円程度
・40代以上⇒1万円以上
がおおよその相場感です。
職場の方への香典の場合、自分以外にも参列者がたくさんいるでしょう。極端に香典額が多いと、逆に遺族にとって困惑の元になってしまいます。自分と同じような立場で参列する他の同僚とともに、金額について相談し合うのが一般的です。
香典を用意する際の注意点とマナー
持参する香典を袋に入れて準備するときの注意点についてです。
金額が高ければいいという考えはNG
故人との付き合いが深いほど、生前お世話になった気持ちとして香典の金額を多くすることもあるでしょう。
しかし、相場を大幅に超えるような金額は遺族側にとっては想定外の出来事になるかもしれません。故人を失った悲しみと葬儀での心労の遺族に、「何を香典返しにすればいいのか…」と悩ませるのは心苦しいですよね。一般的な相場の範囲内におさめるのがマナーと言えるでしょう。
新札(折り目のないお札・ピン札)は避ける
結婚式などお喜びの儀式の場合は、事前に日程が分かるため、通常は折り目のない綺麗なお札を準備しておくものです。
でも、香典の場合「突然のこと」。綺麗なお札を持参すると“死を予測されていた”と捉えられるため注意しましょう。
香典袋への記入の際、ボールペンはNG
通常、葬儀やお通夜に持参する香典袋の外袋への記入は薄墨(薄い色)の毛筆、あるいは筆ペンがマナーと言われています。とはいえ、急いでいると慌てるため、近くにあるボールペンで書くかもしれません。
中袋には金額や住所等など文字数も増えるため、ボールペンやサインペンでもよいとされています。
しかし、遺族が最初に目にする外袋にボールペンを用いるのは、見た目がよくないばかりか、失礼に感じさせてしまう恐れもあるため避けた方がいいでしょう。
葬儀と法要に応じた香典の対応方法
葬儀が終わった後は、四十九日や一周忌、三回忌…と節目の法要は続きますが、葬儀と同様に香典を持参するのがマナーです。
法要の際に持参する香典の相場には幅があり、1~10万円です。「故人との関係が近い」ほど、相場が高めです。
たとえば、親族の法要に参列する場合なら、
・単独で法要だけに参列⇒1万円程度
・夫婦や親子連名で法要だけに参列⇒2~3万円程度
・法要後の会食にも参加⇒上記にプラス5千円~1万円
と考えるといいでしょう。
香典に包む金額は故人や遺族への想いも含まれているため、「葬儀に参列できなかったから四十九日には少し多めの香典を持参する」というケースもあるかもしれません。
また、家族葬が増えている現代では、法要も「家族だけで行う」という考えもあるかと思います。あるいは、法要のみ行い、会食はないというケースもあるのではないでしょうか。
故人との関係や会食の有無などをふまえつつ、常識の範囲内での香典を持参しましょう。
葬儀・法要における家族・親族・友人間の香典マナー
次は故人との“関係性”に着目した香典マナーについてお話していきます。
家族
自分の親や兄弟など近い存在の人が亡くなった場合、香典を包むべきか…と悩みますよね。
一般的に、
・自分が親の葬儀の喪主の立場である
・学生で親の扶養になっていた
などの場合は香典を包みません。
ただ、すでに自分が社会人として独立している、親元を離れて家庭を持っているなどの場合、香典を包むのがマナーです。
また、兄弟姉妹の場合も同様のことが言えます。ただ、ある程度の年齢になり独立して家庭を持っていると、付き合いに変化が出ることもあるでしょう。なかには、ほとんど交流がないケースもあるかもしれません。
自分の年齢や、故人が自分にとって年上・年下なのか、どんな付き合いをしていたかなどによって、香典の金額を考えましょう。
前述しましたが、ほかに兄弟がいる場合は香典の金額について相談しておくことをおすすめします。
親族
祖父母や、おじ・おば、いとこ、配偶者の親などの親族の場合、関係性も考えながら香典の金額を考えることが大事です。 「名前は知っているけど会ったことがない」など付き合いが浅い場合は、自分の年齢よりも“生前どんな交流があったか”もふまえ、一般的な相場の範囲内で考えるといいでしょう。
友人
親兄弟の場合、忌引き休暇もあり、葬儀に参列することは一般的となっています。ただ、友人が亡くなった際には、自分の仕事の都合でどうしても葬儀に参列できないケースもあるでしょう。
・葬儀に出れない旨を手紙に記し、香典を送る
・後日、弔問する際に香典を持参する
などの方法で香典を渡すのがマナーです。
香典に関するよくある質問
次は、香典でよくある質問についてご紹介します。
質問1:香典を辞退…と言われたのですが、少しでも包んだ方がいいですか?
最近は葬儀に対する考え方も多様化していて、昔は持参するのが当たり前だった香典も「辞退する」と言われるケースもあるでしょう。
これは、実は参列者への気遣いももちろんあるのですが、
・故人が香典を辞退するように言っていた(故人の意思・遺言)
・葬儀後に香典返しをするのが大変
という、遺族側のさまざまな事情が含まれているのです。
また、香典ではなく、お花を贈るという方法もできるかもしれません。いずれにしても、遺族の気持ちを尊重するのがマナーと言えるでしょう。
質問2:相場の範囲内なら、お札の枚数は多くなってもいいですか?
香典の金額は、
・割り切れる偶数は故人との縁を切ってしまうことから“偶数の金額は避ける”
・「死」や「苦」のイメージから“4や9の金額は避ける”
ことがマナーと考えられています。
そこで、
・3000円
・5000円
・1万円
・3万円
・5万円
など、奇数が含まれている金額が一般的です。
ただ、「1万円」の香典を包むとき、「1000円札×10枚」「5000円札×2枚」にすると、金額的には奇数でもお札の枚数が偶数になるため注意しましょう。できるだけ、お札の枚数が増えないようにするのがマナーです。最小限の枚数にすれば、受け取った遺族がお金を整理しやすいからです。
まとめ
今回は、葬儀に参列する場合の香典の相場について詳しくお伝えしました。
基本的には「自分の年齢・故人との関係性」をふまえた金額にしましょう。自分の年齢が高くなるにつれて、香典の金額が増えるのが一般的です。
付き合いが深いと香典をたくさん包むことで故人を偲べるのでは…と考えがちかもしれません。しかし、相場を著しく超えた金額の香典を渡すと、遺族側が困ることもあります。
また、参列するとき、同じ立場同士の方がいれば、香典の金額を相談しておくのもいいでしょう。兄弟同士、会社の同僚同士などは、金額を合わせておくと、もらった方も香典返しの品物を同じにできるので助かるかもしれませんね。
香典は故人へのお悔やみの気持ちを込めたものですが、実際に受け取るのはご遺族側です。
ご遺族に対しても失礼とならないように、あらかじめ香典の相場をおさえておくことをおすすめします。
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