-
近年の葬儀で増えている“直葬”とは?一般葬との違いや費用相場、メリット・デメリットを知って後悔のない葬儀を2025.02.25
葬儀は故人との最後のお別れの場。かつては故人と縁のあった人が集うお葬式が主流でしたが、近年そのスタイルは多様化し、家族を中心とした小規模な葬儀が好まれる傾向があります。
今回は、火葬だけで故人とのお別れをする「直葬」についてご紹介します。
一般葬と比べると規模も小さくシンプルな流れで費用面でのメリットがあるものの、周囲から理解を得られにくいので注意すべき点もあります。
後悔のないお別れのため、直葬について特徴などを詳しく知っておくようにしましょう。
近年増加する直葬とは?
お葬式と言えば、お通夜・告別式での僧侶の読経や焼香をイメージする方も多いのではないでしょうか。直葬はそういった流れが省かれたシンプルな形です。
まずは、直葬について具体的な特徴を見ていきましょう。
近年増えている葬儀のさまざまな形
かつては、生前故人と関わりのあったたくさんの人が参列する大々的な葬儀が一般的でした。
故人の家族や親族、友人、同僚などだけでなく、「昔仕事でお世話になった」「友達のお父様が亡くなったので参列した」「同じ町内なので葬儀に来た」という方々まで参列することもあります。
縁の深さに関わらず参列者が多くなりがちで、遺族は一人一人の対応に追われることになるでしょう。
コロナによる生活環境の変化にともない、葬儀はこうあるべきものという概念が変わり、最近では家族を中心にした小さな葬儀が増え続けています。
直葬は通夜や告別式を行わない形式
直葬と似て非なるものが「家族葬」です。一般葬と流れはほぼ同じですが参列人数が少ないのが特徴。家族だけでお別れをしたい人に選ばれています。
小規模という点では、直葬も家族葬と似ています。ただ、直葬は「通夜・告別式がない」スタイルです。僧侶の読経など“儀式”はなく、火葬だけで故人を弔うのが直葬です。
直葬のメリット・デメリットと選ばれる理由
次は、直葬のメリット・デメリットなどをお話していきます。
直葬のメリット・デメリット
メリットとデメリットを比較してみましょう。
遺族のさまざまな負担が減るメリット
直葬は火葬のみですから式場を借りる必要はなく、全体的な流れも減ります。費用面を最小限におさえられるのがメリットです。一般葬のように参列者への連絡・対応がなくなり、香典返しの心配もありません。
大々的な葬儀と比べて時間も短く、費用面・精神面の負担が軽減できる葬儀の形と言えるでしょう。
周囲に理解を得られにくいデメリット
一方で「参列したいのにできない」「そんな簡単な葬儀なのか」など、周囲から不満の声が出やすいデメリットがあります。
特に、高年齢の人が親族にいる場合、昔ながらの葬儀の形をイメージし、通夜や告別式が省かれた直葬を快く思わない方がいる可能性があります。
「葬儀はこうあるものだ」という固定概念が強い親族には、直葬を選んだ理由をしっかりと知ってもらうことが大事です。
直葬を選ぶ方の理由とは?
「故人、喪主ともに高齢で参列者がほぼいないと予想される」、あるいは「喪主の経済的な事情」などから直葬を選ぶ方が多い傾向です。
昨今、少子高齢化社会で家族がいない方も少なくありません。子供のいない人などの場合、自分の死後に周りに迷惑をかけないようにと直葬を生前に希望している方もいます。
昔は、経済的な理由でやむを得ず火葬しか行わない人もいましたが、今は敢えて「お金をかけない葬儀の形」として選ばれることも増えてきました。長らく介護生活を続け多額の費用がかかっている場合なども経済的な事情で直葬を選ぶ方もいます。
直葬の準備や流れとは
直葬を選ぶときは、事前に流れについて知っておくと安心です。
直葬のおおまかな流れ
- 遺体をお迎え、安置場所まで搬送
亡くなってから24時間経過しないと火葬が行えないため、まずは遺体を安置場所まで搬送します。
病院で亡くなった場合、一時的に安置してもらえますが、早めに別の安置場所まで運ぶ必要があります。まずは葬儀社に電話して遺体を搬送する手続きをしましょう。ご自宅や葬儀社専用の安置施設まで運び、火葬までの間“安置”されます。
役所への死亡届、今後の流れの打ち合わせも行っていきます。
- 納棺・出棺
故人を棺にいれて納棺を行った後、出棺し火葬場まで移動します。
- 火葬、骨上げ
直葬では火葬場にて最後のお別れをシンプルに行います。通夜や告別式がなく読経の場がない直葬の場合、火葬場に僧侶をお呼びしてお経を読んでもらう方もいます。
火葬が終わるまで斎場の控室にて待機します。
その後、遺骨を骨上げして骨壺へと納めます。火葬場のスタッフの指示に従いましょう。
直葬の準備
直葬の前に、
・親族に直葬をすることを伝える
・菩提寺に了承してもらう
という準備が必要です。
亡くなってすぐに親しい人に連絡する方も多いかと思いますが、直葬の流れや選んだ理由をきちんと説明しておきましょう。後から、「葬儀に出られなかった」「まさか火葬だけなんて」など不満を言われないように、初めに理解してもらうことが大事です。
また、葬儀と言えば、通夜や告別式で僧侶からの読経があるのが一般的です。そのため死亡の連絡を受けた僧侶が読経を省略した形の直葬に異論があるケースもあるかもしれません。
古くからの慣習である葬儀の形を省略したことで菩提寺側が快く感じていない可能性もあるため、はじめに理解を得ておくことが重要です。
一般葬と直葬の違いと費用相場について
次に一般葬と直葬の違いから見る、費用相場に関して説明していきます。
一般葬と直葬の違い
一般葬は通夜や告別式を行って多くの人に故人を見送ってもらう形です。流れはそのままに、規模を小さくしたのが家族葬です。
直葬は“火葬をすること”を中心とした葬儀の形で、一般葬をかなりシンプルにした形式となっています。
人が亡くなって必ずやらなければならないのは「死亡届を提出すること」「火葬をすること」です。それ以外の葬儀の内容や規模については、ご遺族が決めても問題はありません。
費用相場はどのくらい?
一般的な葬儀と比べて省略される部分が多いため、直葬はかなり費用がおさえられます。
家族葬と比べても半分程度でおさえることができ、一般葬と比べると4分の1程度の費用で行えることもあります。
ただ、葬儀社ごとのプラン内容によって金額は大きく異なります。
・病院から安置場所までの距離
・お別れの花の本数
・スタッフの人数
・祭壇の種類
・お食事の有無
・火葬場で僧侶に読経してもらう際のお布施
など、さまざまな状況の違いで費用も変わってくるでしょう。
費用相場としては10~20万円くらいを目安としておくといいですが、それぞれの状況とプラン内容によって異なる部分も多いため、事前に見積もりをとっておくことが大切です。
直葬の流れをスムーズに進めるためのポイント
直葬は火葬だけですから、流れがシンプルです。しかし、通夜や告別式などがないだけで、故人が亡くなってから家族がやるべきことはたくさんあります。スムーズに進めるためのポイントを確認してみましょう。
死亡届はすみやかに行う
死亡届は、亡くなってから7日以内の提出という期限があります。
後からゆっくり提出してもよさそうに思えるかもしれませんが、直葬で火葬を行うためには死亡届を提出したときに受け取る“火葬許可証”が必要です。ご家族を亡くしてお辛い気持ちかもしれませんが、家族間で分担し合って手続きを進めていきましょう。
葬儀社を生前から考えておくのもポイント
家族が亡くなって動揺しているときに葬儀社を決めるのは悩ましいことですよね。特に、突然の別れの場合、悲しみの方が先だってゆっくりと葬儀社選びをしている時間もないでしょう。
そのため、亡くなる前に葬儀社について考えている方もいます。
不治の病で余命いくばくもない、助かる見込みがほとんどないときなど、万が一に備えて葬儀の形や葬儀社についてご家族同士で話し合っておくのもいいかもしれません。
最近は、生前の元気なうちに、自身の死後のことを“終活”としてまとめている方もいます。「自分が死んだら直葬で」という希望があるケースも。家族同士で情報を共有し合い、故人の意向を確認しておくことをおすすめします。
葬儀社を選ぶ前に確認すべきポイントとトラブル回避のポイント
直葬は一般葬よりもシンプルだからこそ、信頼できる葬儀社を選んでトラブルを回避することが大事です。
直葬プランを選ぶときは葬儀社ごとのサービスを比較
近年増えつつある直葬は、多くの葬儀社で取り扱っています。ただ、会社によって直葬のプランはさまざまなので、後悔のないようにサービス内容を比較してみることが大事です。
プランに含まれているかチェックしておきたいポイントは、
・安置所までの搬送
・安置場所でのドライアイス
・安置場所の使用料
・斎場までの霊柩車
・棺や骨壺などの物品
などです。
これらは葬儀社ごとに異なるため、どこまでがプランに含まれていて、どこからが追加費用が発生するかなどを確認しましょう。
葬儀社へ支払う費用には「僧侶へのお布施」等は入っていません。そのため、火葬場まで読経に来てもらった場合、火葬後に納骨する場合など菩提寺へ払うお布施などは別途確認しておくことが大事です。
また、アフターサービスが充実している葬儀社選びがおすすめです。儀式部分を省いた直葬ですが、直葬後の納骨や法要などの供養は一般葬と同じように考えていくべきこと。
お墓がある人は四十九日や一周忌などにあわせて納骨法要をしたり、これから法要を行うシーンも多いでしょう。その都度、葬儀社選びをするのではなく、直葬が終わってからも相談できるような葬儀社を選ぶことが大事です。
後々のトラブルを防ぐために考えておきたいポイント
お通夜や告別式がないと、お別れができないという不満を持つ親族もいるでしょう。
火葬場において短い時間ですが最後のお別れの時間があります。
特に親しくしていた人には参列してもらってもいいかもしれません。ただ、「呼ばれた人・呼ばれなかった人」が後から揉めないように注意が必要です。
また、一般的な葬儀の場合、通夜の後や葬儀の後に会食の場を設けることがあります。しかし、直葬は葬儀の内容を省略する形のため、会食がないケースがほとんどです。
ただ、火葬の時間帯やお呼びする親族が遠くからいらっしゃる場合などは、簡単に食事の場を設定することもあるでしょう。とは言え、一般葬と同じような会食にしてしまうと費用もかかります。
親族との関係性などにもよるかとは思いますが、葬儀社スタッフと相談しながらご遺族の負担にならない程度で考えてみてはいかがでしょうか。
まとめ
“火葬だけ”というシンプルな形の直葬についてお伝えしました。
直葬は、一般葬よりも短期間で故人を見送ることができるため、費用面はもちろん精神的な負担も減る方法です。火葬だけなので自分で手配しようと考える方もいますが、安置施設までの遺体の搬送、火葬場までの搬送など、葬儀社ならではのサポートを受けた方が遺族の負担が減ります。
葬儀社によって「直葬」の内容は異なる部分もあるため、後悔をしないためによく検討して葬儀社を選びましょう。
徳島葬送では、家族葬・一般葬の他に直葬プランもご用意しています。
一般葬と比べて費用面がおさえられるメリットもありますが、少しでも不安などありましたらお気軽にお問い合わせください。
他のプランのメリットやデメリットと合わせてご提案をさせて頂きます。
監修者
徳島葬送.COM 代表取締役
田岡 博憲(たおか ひろのり)【保有資格】
・厚生労働省認定 一級葬祭ディレクター
・日本海洋散骨協会認定 海洋散骨アドバイザー
・相続診断協会認定 相続診断士
・終活協議会認定 終活ガイド
徳島での葬儀に携わり15年以上の経験があり、四国で初めて葬祭関連有名全国誌の月刊終活に特集していただいております。徳島での終活・葬儀・供養の事はすべてお任せください。
- 葬儀の豆知識一覧
-
2025.02.25近年の葬儀で増えている“直葬”とは?一般葬との違いや費用相場、メ…
-
2025.02.06失敗しない葬儀日程の決め方|友引・仏滅の注意点や葬儀スケジュール…
-
2025.01.07家族の死亡後にやらなければならない手続きは?死亡直後からの流れに…
-
2024.11.26親族の葬儀に香典はいくら包む?親族別の金額相場や知っておきたい香…
-
2024.11.06葬儀に参列する人が知っておくべきマナーとは?遺族に対するNG言動…
-
2024.10.21葬儀に事前相談は必要?事前相談の重要性やメリット、流れやポイント…
-
2024.09.11家族葬とは一般層とどう違う?家族で行う葬儀の形と流れについて解説…
-
2024.08.07香典や数珠、ハンカチも…?葬儀で必要な持ち物リストやNGな物、葬…
-
お問い合わせ
葬儀のご相談やご質問、
オンライン事前相談の申し込みなど
お気軽にお問い合わせください。