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葬儀に事前相談は必要?事前相談の重要性やメリット、流れやポイントを詳しく解説します2025.10.01
かつては、葬儀は自分が亡くなった後のこととして、生前から“自分の葬儀”を考えている人はいなかったのではないでしょうか。それに、死は突然のことですから、事前に準備をするのは何だかマイナスな気持ちになると思っていた方も多いかもしれません。
最近は葬儀への考え方も多様化し、「家族葬をしてほしい」「家族が困らないように」など、“いざという時”のために葬儀について事前相談をする方も増えてきました。
今回は葬儀の事前準備について、メリットや流れなど詳しくご紹介していきます。
葬儀事前相談をするべき?
葬儀の事前相談とは、葬儀に関する不安や疑問を前もってゆっくりと相談できる機会です。
お葬式をする機会は、一生のうちに頻繁にありません。誰かの葬儀に参列したことは何度もあるという人も、自分が遺族側になった葬儀はそれほどないでしょう。
そのため、葬儀に関する疑問や不安があってもなかなか解消できる機会がないまま、流れにまかせて突然やることになった葬儀をこなしているケースが多いです。
心の準備としてお葬式に関する疑問を解消し、いざというときに少しでも心の負担を取り除ける機会が事前相談と言えるでしょう。
事前相談はさまざまな人が活用しています。
まずは、終活をしていくなかで「自分の葬儀」について事前相談するケースです。病気でも何でもないけれど年齢的に不安という方もいれば、「余命宣告をされた」ことをきっかけに終活を具体的に進めている方もいます。
家族のために葬儀費用を残しておくためにも、「いくら準備すれば分からない」ということもあるでしょう。事前相談である程度の目安を知っておければ、家族に葬儀資金として残しておけます。
また、家族側が事前相談をするケースもたくさんあります。家族が高齢になって“死”が現実的に近いケース、家族が余命宣告されある程度覚悟が必要な時期など、事前相談を受けて不安を解消される方が多いようです。
葬儀の事前相談はなぜ大切?その理由とメリットについてご紹介
次に事前相談が大切な理由と事前相談によるメリットについて具体的に見ていきましょう。
葬儀費用の目安を知ることができる
「お葬式にいくらかかった?」と友人や知人に聞いても、実はあまり参考になりません。なぜなら、選ぶ葬儀社、葬儀のプラン、参列人数、食事の有無、僧侶へのお布施など、さまざまな状況で異なるからです。たとえば、「家族葬」「一般葬」とは言っても金額に違いがあります。
「人から聞いたら○○円くらいだったのに」「こんなにかかるなんて…」と請求書をもらってびっくりするケースもあるかもしれません。
終活として自分の死後のお葬式について不安を抱えている場合、葬儀社に実際に相談すれば費用を把握できます。家族には、それ相応の「葬儀費用」として遺しておくことができます。
一方、家族の万が一の葬儀のために事前相談をする人なら、「どのプランで行えるか」と予算と比較しながら検討することができるでしょう。
実際に葬儀をしてみないと細かな金額までは決定できませんが、だいたいの目安相場を知ることができるのは事前相談のメリットです。
万が一の際に葬儀社選びに困らずに済む
事前相談で葬儀について決めておくことで、葬儀が必要になったとき慌てずに済みます。
たとえば、葬儀社も何もまったく決まっていない場合、家族が亡くなった際に「葬儀社選び」から始めなければなりません。多くの葬儀社が“24時間・365日”と年中無休で夜中も受付けているとはいえ、急ぎのときは「葬儀会社を検索して探す」「料金やプランの相談で電話をかける」といった余裕はありませんよね。葬儀会社ごとにサービスや金額の違いを比較することも難しいでしょう。
病院で亡くなるとすぐにご自宅や葬儀会社の施設など“安置場所”へとご遺体を運ぶお願いをしたりなど、やるべき手続きがたくさんあります。多くのご遺族は考える余裕がないものです。
危篤のときや
家族が亡くなった悲しみのなか、「葬儀社は?」「葬儀のプランは?」「親族に連絡を!」など時間に追われます。慌てる気持ち、悲しい気持ち、やらなければならないと責任の気持ち…とさまざまな感情が交錯するなかで葬儀の選択をしていくのは本当に大変です。
葬儀社選びだけでなく、「葬儀を自宅でやるか・斎場でやるか・家族葬にするか・一般葬にするか」など決めることが山積みです。
事前相談であらかじめ、葬儀の規模や相場、流れを掴んでおくことは、後悔のない葬儀において大切になってきます。
特に、初めて喪主を務めることになった方は、責任の重さなども相まって
気持ちが張り詰めて体調を崩すご遺族様もいらっしゃいます。事前相談で葬儀社を決めておければ、お葬式をする際に葬儀社選びに迷わずに済むでしょう。
また、“事前相談”という流れのなかで、スタッフの対応もある程度見極められます。自分の葬儀、家族の葬儀どちらにしても、心から寄り添ってくれる信頼できる葬儀社に任せたいものですよね。
事前相談でお話をしていくなかで、「話しやすい」「分かりやすい」など対応もぜひともチェックしてみてください。
自分の葬儀の形を“自分”で決められる
昔は、自分の死後の話をするのは“縁起が悪い”と言われたものです。でも今や「終活」という言葉も浸透してきているので、自分の死後についてオープンに考えている人も増えてきました。
事前相談をしておけば「家族に迷惑をかけないためにコンパクトな家族葬を」「お世話になった人も呼んで一般的な葬儀をしてほしい」など、自分が亡き後の葬儀の形を決めておくことができます。
葬儀のスタイルには、
・参列者を限定せずに大規模に行う「一般葬」
・少ない親族で葬儀を行う「家族葬」
・お通夜を省いた「一日葬」
・お通夜や告別式をせず火葬だけをする「直葬」
などがあります。
葬儀の種類によって流れや費用はだいぶ変わります。ただ、本人の希望が分からない場合、残された遺族が葬儀を選択しなければなりません。「故人の遺志を反映できたのだろうか」と後悔するケースも少なくないようです。
どの葬儀を選んでも大切な故人とお別れの場であることは代わりありません。でも、遺族がご危篤や逝去の直後など“急ぎ”の状況で葬儀を選択すると、後悔することもあるでしょう。
事前相談で、自分の葬儀の形をイメージして家族に伝えておくことができ、残された家族の精神的な負担も減らせます。
遺族としても、参列してくれた人に「本人が希望していた葬儀の形・「本人が感謝していた」ということを心から伝えられる場にもなるでしょう。
悔いが残らない葬儀ができる
葬儀が終わって少し落ち着いた頃、葬儀について後悔する方も実は多いです。慌てるなか、流れで決めた葬儀について「これでよかったのだろうか」という気持ちを引きずるのも悲しいことですよね。
事前相談において、不安や疑問を解消して、納得の葬儀をすることはとても大切です。
家族の負担を軽くすることにつながる
家族を亡くしたとき、遺族の心労は相当なものです。そんな状態で葬儀の選択をさせることや、葬儀費用を捻出させるのは心苦しく感じますよね。
ある程度年齢を重ねると、知人や親族の死に直面する機会も増え、“死”が身近に感じてくる方も多いでしょう。そんなとき、ふと「自分が死んだときに家族に負担を感じてほしくない」と思うかもしれません。
そういった“家族の負担を軽減したい”といった気持ちから事前相談をされる方も増えています。
事前相談をしたからといって、完全にその通りに実現しなければならないということもありません。
ただ、「葬儀会社を選定しておく」「葬儀費用を準備しておける」「葬儀のプランを希望しておける」など、自分の死後について準備を進めることができます。自分の亡き後の家族の負担がかなり減ります。そして、遺族が「故人の思い」を重視しながら葬儀を進めることができるのです。
葬儀事前相談の実際の流れとは?
事前相談とは言っても「何をすれば?」と不安な方も多いでしょう。そこで、事前相談の一般的な流れについて簡単にお話します。
まずは電話をしてみる
まずは、葬儀社に直接電話をして、事前相談の問い合わせをするのがおすすめです。
気になる葬儀社に出向いて相談するという方法もありますが、突然訪問すると待たされることもあるかもしれません。はじめに「事前相談をしたいから」と話しておくと、日時などを段取りよく相談できます。
また、最近はメールでの相談もできる葬儀社が増えてきました。
問い合わせフォームに入力すれば、後から担当者からメールや電話にて返答が来る場合も多いです。メールのメリットは時間を選ばずに自分のペースで連絡できる点でしょう。
実際に葬儀社に出向いて“対面”で相談してみる
費用のことなど、より具体的な内容を相談するなら、やはり対面がおすすめです。
電話でもある程度の相談はできますが聞き逃しもありますし、イメージが掴みづらいかもしれません。それに、後から「何て言っていたか…」と忘れることもあるでしょう。対面ならパンフレットや資料を見ながら知識のあるスタッフが分かりやすく説明してくれます。資料は持ち帰って、ゆっくり吟味することも可能です。
また、「葬儀の不安はどんなこと…?」と考えたとき、「何を聞いたらいいか分からない」と思う方も多いでしょう。
葬儀社のスタッフと直接対面で相談が受けられると、経験豊富な担当者が丁寧に説明してくれるので安心感があります。
事前相談のポイントについて
何も準備せずに事前相談にいくのではなく、次のようなポイントをおさえておくと安心です。
聞きたいことを事前にメモして持参する
葬儀に関する不安はたくさんありますよね。電話や対面で相談するときにありがちなのは「聞こうと思っていたことを聞き忘れた」ということです。
そこで、事前相談を受ける際には、箇条書きでもよいので「疑問点・不安点」などをメモに書き記したものを持参しましょう。
また、ご自分の状況についても記載したものがあると、より具体的な相談ができます。
たとえば、「参列者はどのくらいと決まっている」「家族葬で家族だけでやりたい」「予算はこのくらい」など“こうしたい”という確実な情報があれば、まとめておくといいでしょう。
葬儀の規模や種類、葬儀会場によって費用感も異なるからです。
事前相談を利用する際には、
・誰が喪主を務めるのか
・参列者おおよその人数
・葬儀の形式
・葬儀を執り行う場所(自宅やお寺、葬儀社の施設)の希望
・宗教、宗派
など確認しておきたい点をメモにまとめて用意しておくといいでしょう。
当社でも「事前相談をしたい」という方が近年増えていますが、お客様にあらかじめ質問や不安点を書き出していただくことで、スムーズなご案内ができます。
地元の葬儀会社への相談が大切
葬儀の流れや風習は地域によって変わる部分が多いです。火葬の順番や返礼品の相場など、その土地ならではの葬儀の風習には違いもあって、注意点も異なります。
葬儀を行う地域の風習をよく知らない葬儀会社に事前相談をしてしまうと、本来の葬儀とはかけ離れた相談となる可能性も考えられます。実際に葬儀を執り行う地域での事前相談が大切です。
また、地域密着型で長年の歴史がある葬儀会社に相談できれば、葬儀会場の見学ができたり、会食や返礼品の見本などを具体的に提案してもらえることもあります。
土地の風習に合わせた具体的な相談のため、地元の葬儀社への相談が大切です。
事前相談だけでなく葬儀予約も検討しよう
事前相談をしたあと、「この葬儀社に依頼したい」という思いが確定したら、葬儀の生前予約や生前契約をすることもできます。
“予約”とはいっても、亡くなる日時は予想ができませんから、葬儀の具体的な日程は決めることができません。
生前予約で決められるのは、「この葬儀社に葬儀を任せる・こんなプランで葬儀をしてもらう」といったもの。
葬儀場や参列人数による葬儀の規模など“日付以外の具体的な内容”を決めることができます。
生前予約をしておくメリットは、本人あるいは家族が亡くなった際、その葬儀社に連絡すれば内容どおりに葬儀を進めてくれる点です。
悲しみの最中にあれこれと選択を迫られることがなく、落ち着いて故人とのお別れに向き合いやすくなるでしょう。事前相談でじっくりと決めた葬儀内容ですから、慌てて決めるよりも“納得の葬儀”を行えます。
費用についても事前にある程度知っておけるので、突然の大きな出費に驚くこともありません。
終活の一環としての葬儀事前相談
終活の一環として、葬儀の事前相談を行う方も増えています。残された家族に負担をかけたくないという方も多いようです。
事前相談で費用を知ることができれば「葬儀費用」とお金を残しておけますから安心ですよね。
終活をする方のなかには「葬儀は家族だけでやってほしい」という方もいらっしゃるかと思います。
自分の意思を反映した葬儀を行ってもらえます。「この葬儀社だ」と思ったら、生前予約をしておくのもおすすめです。
ただ、「生前予約したことを家族に伝えておくこと」が重要です。本人が葬儀社に生前予約したことを誰も知らなければ、遺族は別の葬儀社に依頼するかもしれません。
終活の一環として葬儀の事前相談と予約をしたときは、家族にきちんと伝えておきましょう。
「生前予約をしている」という事実だけでなく、誰に連絡をすればいいのか、葬儀費用はどこにあるのかなど具体的な情報をまとめたものを共有しておくことが重要です。
事前相談のタイミングとは?
事前相談のタイミングは、ご自身が葬儀に対する不安を感じたときがいいでしょう。
病気療養中で死亡宣言をされた場合は、「ご自身の立場・ご家族の立場」のどちらにしてもある程度の覚悟を決めながら葬儀の準備を進めていけるかもしれません。
しかし残念ながら“死”の時期は予想ができないことも多いです。これまで元気だった人が何らかの事故に巻きれて…、といったケースも少なくありません。
事前相談はご自身やご家族の死後の備えです。
・自分の人生の最期を理想のものにしたい
・自分の急な逝去で家族を困らせたくない
・大切な人を亡くしたときに慌てたくない
などの気持ちをきっかけに事前相談をされる方も増えています。
事前相談は“相談”ですから、無料で行うことができます。事前相談の流れで葬儀の生前予約をする方も増えてきました。
事前相談のタイミングは人それぞれですが、「余命を知ってしまった」「終活をしている」などさまざまです。
葬儀社スタッフの専門的なサポートにより、相談前の不安はきっと“安心”へとつながるはずです。事前相談のタイミングに決まりはありませんが、“気になったとき”をタイミングとして相談してみてはいかがでしょうか。
まとめ
人が亡くなった後にやらなければならない「葬儀社選び」。しかし、葬儀に向けて段取り良く準備しなければならず、じっくり比較しながら決めることもできません。
いざというときに慌てたり後悔したりしないように事前に疑問を解消しておくのが「事前相談」のメリットです。
亡くなった直後にあれこれと決めていくのは精神的にも負担ですが、事前相談ならゆっくり葬儀に向き合うことができます。
当社でも事前相談を行っております。終活の一環として「葬儀の流れを知りたい」「葬儀費用を教えてほしい」などのご疑問や不安にも丁寧に説明させていただきます。具体的にご予算やご要望をまとめていただければ、お客様のご不安点を解消できるかと思います。
当社では
・お墓がなく永代供養をしたい、墓じまいを検討しているなどお墓に関するご相談
・故人様のお住まいを片付けたいなど遺品整理に関するご相談
・新仏でお墓を建てたい、仏壇を自宅に置きたいなど、墓石・仏壇のご相談
・葬儀後の法要のご相談
など、葬儀に関する事前相談のほか、さまざまなご相談をお受けしています。
気になる点があれば、まずはお問い合わせください。
監修者
徳島葬送.COM 代表取締役
田岡 博憲(たおか ひろのり)【保有資格】
・厚生労働省認定 一級葬祭ディレクター
・日本海洋散骨協会認定 海洋散骨アドバイザー
・相続診断協会認定 相続診断士
・終活協議会認定 終活ガイド
徳島での葬儀に携わり15年以上の経験があり、四国で初めて葬祭関連有名全国誌の月刊終活に特集していただいております。徳島での終活・葬儀・供養の事はすべてお任せください。
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